NISAには毎月分配型が向いている理由

NISAが始まる前から、NISAには毎月分配型は向いていないと言われ続けました。NISAは換金すると非課税枠を減らすことになるから、毎月換金をする毎月分配型は損ということです。しかしNISAには問題点があって、5年後の価格が取得価格になるから、5年後の価格が買値よりもマイナスだと、それが取得価格になります。取得価格だからそこから値上がりすると利益扱いで税金を取られます。だから損を取り戻しただけでも税金を取られます。だから途中儲かっていても期間終了後にマイナスだとNISAは逆に損だということです。期間中がプラスでもマイナスで終われば損だから、儲かっているうちに利確する方がいいということです。それで自動的に利確をしてくれる毎月分配型をNISAで活用すればいいということです。

実は意外とNISAで毎月分配型を買っている人が多いです。多い理由ですが分配金に課税されないのが人気の理由でして、NISAの欠点が理由では無いです。他にもNISAはリバランンスをすると非課税枠を減らしてしまうので、ファンド内でリバランスをするバランス型を買う人が多かったです。これも素人レベルの話でして、資産が少ない人ならともかく数千万円も持っているなら、リバランスと言っても全部入れ替えるわけじゃないから、入れ替えない部分をNISAで運用すべきです。バランス型みたいな上昇力の低い投資信託をNISAで運用するなんてNISAのメリットを生かせないから損です。

毎月分配型は分配金を出し続けますから、基準価額があまり上昇しません。基準価額が安いままだと、その基準価額が取得価格になるから損に見えますが、分配金分非課税で回収していますから、期間終了後に値上がりした場合は期間終了後の値上がり分だから、課税は普通で問題ないです。NISAに毎月分配型が不向きだと言われてきたのは、この点が誤解されてきたからです。分配金を非課税で受け取れても再投資は、NISAの枠を使い切っていれば他口座での買い付けになって課税対象扱いになりますから、分配金を再投資したいなら、NISAに毎月分配型は向いていないことになります。

MMFの元本割れのリスク

MMF(マネーマネジメントファンド)は証券会社で販売されている投資信託で、短期の公社債やコールローン、CP(コマーシャル・ペーパー)、CD(譲渡性預金証書)で運用されていて、元本割れしないように運用されています。MMFのメリットは30日間を過ぎると手数料無料で出し入れができることです。30日未満に解約をすると1万口当たり10円の信託財産留保額を取られます。MMFの良いところは買い付けから30日経てば手数料無しでいつでも解約出来て、定期預金より高い金利で運用できることです。それで銀行の普通預金口座に入れておくよりもMMFで運用した方がお得です。

MMFは投資用の資金の待機場所としてよく使われます。MMFは証券会社で利用されていますから、証券口座にある現金をそのままMMFに投資をした方が、銀行に移し替えるよりも便利ですから。ネット証券などはネット銀行の口座に無料で振り込めるようになっていますから、銀行に緊急時に使うお金として銀行口座に入れておくよりも証券会社のMMFで運用する人も居ます。

このMMFは実は元本割れのリスクがあります。元本割れを起こさないように運用されていますから、元本割れの心配をせずに購入する人が多いけど、急激な金利上昇があれば、保有する債券の価格が下がって元本割れを起こしてしまいます。定期貯金や普通預金預金保険機構で保護されていますが、MMF投資信託ですから保護はされていません。損失の補てんもされないようになっています。それで証券会社はMMFは元本割れをする場合があると注意をしています。

MMFの元本割れは、普段は気にしなくてもいつ金利が上がるか分からないくらい、金利上昇が始まりそうな状態になっています。それでMMFの中でも金利が高いところは、債券を多く組み入れていますから、元本割れのリスクが高いです。しかし短期債ですから、元本割れしても満期が来れば額面で償還されますから、問題は無いです。ただ解約時に元本割れの場合は損をするので気を付けなければならないです。

コア・サテライト戦略は疑問

コア・サテライト戦略とは聞き慣れない言葉ですが、コアとは中核という意味で、サテライトは、その周りを意味する非中核を意味します。それで投資信託のコア・サテライト戦略として、資産の大部分をよく分かる投資信託にして、後は少額ずつ他の投資信託を買うようにします。それでインデックスファンドをコアにして、サテライトとしてアクティブファンドを買う人達が多いです。インデックスファンドは株式指数に投資をするから分かりやすいというメリットがあって、投資の中核になっています。逆にアクティブファンドは、どれを選んでよいか分からず、少額ずつ分散で買われています。

投資は最善があっても分かりませんから、コア・サテライト戦略もどの組み合わせが良いかが分かりません。コア・サテライト戦略自体駄目かもしれません。だから誰々がやっているからとか、お勧めしているからといって、コア・サテライト戦略で投資信託を買えばうまくいくとは限らないです。コア・サテライト戦略は単なる投資手段の一つに過ぎないです。コア・サテライトよりも均等に投資をした方が資産の偏りが無い分、資産の変動の振れが無くなります。

コア・サテライト戦略が人気なのは、よく分からない投資先は少額にすべきという投資の基本にあっているからです。このよく分からない投資先に少額だけど投資をすることを正当化できるから人気があります。投資に詳しくない人ならコア自身も少額にすべきですが、コアの部分ぐらいは分かるとプライドがあって、そういうことは聞いてもらえそうにないです。

投資はよく分からない物には投資をしないか、投資をしても少額にとどめるのが当たり前ですから、そういう理屈ではコア・サテライト戦略は適しています。しかし資産バランスが悪いから、コア自体が失敗だったら、サテライトがどれだけカバーできるかとなると、あまり期待できない問題があります。どの投資方法が最適かは誰にも分かりませんから、特定の分野には集中させない方が、結果的に良くなりますから、周りの言動に惑わさらずに資産は分散させるようにした方がいいです。

ターゲットイヤー型ファンドとは

資産運用は、年齢が高くなるにつれて、リスク資産を減らして安全資産を増やしていくのが定説になっています。その理由は、年齢が高くなればなるほど、リスクを取って失敗した時の損失を取り戻す期間が短くなるからです。例えば40代と50代では50代の方が10年早く資産を取り崩す時期が来てしまいます。この10年の短さが大きいから、40代と50代とではリスク資産の比率に差を付けて、50代の方が40代よりリスクを減らす必要があります。それで年齢が増えるごとにリスク資産を減らしていかなければならないのですが、それは自分自身で調整をしなければならないです。

しかし投資信託自体が、調整してくれるとしたら、それはすごく便利な話です。それで年代ごとにリスク資産を調整してくれる投資信託ができました。それがターゲットイヤー型ファンドです。ターゲットイヤー型ファンドは、何年後に償還されるかが決まっていて、その時期に合わせてリスク資産を減らしていきます。それで2020年に償還されるタイプ、2025年に償還されるタイプ、・・・・・2040年に償還されるタイプと複数有って、自分自身の定年の時期に合わせて投資信託を選べます。

ターゲットイヤー型ファンドの運用方針としては、償還が遅い物ほど株式などのリスク資産が高く、それが5年ごとに減らされていきます。そして減った分が債券などの安全資産に切り替ります。償還が近づいてくると債券も長期債から短期債へと債券が満期を迎えるごとに切り替っていきます。ターゲットイヤー型ファンドは、安全性を高めている分リターンが落ちるデメリットがあって、資金が少ない人には向いていないと言えます。そしてリスク資産を減らすタイミングが間違うことになる場合があり、せっかくの収益チャンスを失うことになります。ただターゲットイヤー型の方が好成績になる場合もありますから、どちら側が良いかとの優劣は付けられないです。それで収益性よりも安全性を重視するならば、ターゲットイヤー型ファンドを選択すると良いでしょう。

インデックスファンドは偽造ファンドです

投資の世界では、株式指数をベンチマークにして、運用成績を株式指数と比較して成績の良し悪しを決めます。日本株では日経225やTOPIXなどの株式指数が比較対象です。それで株式指数そのものに投資をすれば、運用成績は株式指数に負けないとして考えられたのがインデックス(株式指数)ファンドです。

インデックスファンドは構成銘柄が株式指数と同じだから、値動きが株式指数と同じになります。しかしそれは多くの人がそう思い込まされているだけで、実態は株式指数に連動するように株式を組み入れられた投資信託です。だから株式指数の完全コピーじゃないです。完全コピーでは無い理由ですが、投資信託株価指数と違い、株を揃えるのに手数料を払って株を買います。それで完全コピーだと、手数料分株式指数からずれてしまいます。昔はそうでしたけど、インデックスファンドを買ったお客から、株価指数からずれていると苦情が来るようになり、株価指数にずれないように、対象となる株価指数に連動するように株式を組み合わせるようになりました。

実際昔、日経平均のインデックスファンドを買って、日経平均が上がったから、インデックスファンドも上がると思って、次の日の朝、新聞を見て基準価額が下がっていて驚きました。下がった理由は225銘柄を組み入れなければならないのに220銘柄しか組み入れていなくて、5銘柄分差が出ました。今はそうならないように偽造していますから、さほど差が出ないようになっています。

偽造紙幣も相手が信用すれば正式な紙幣という感じで、インデックスファンドが販売されていますが、偽造は偽造です。偽造紙幣は紙の質が違うから、使っているうちに傷んで分かりますが、インデックスファンドは修正して補正していますからずっとばれないだけで、偽造なことに変わりは無いです。だからインデックスファンドを買う時は、株価指数に連動するだけの偽造ファンドだと理解して、偽造が嫌いな人は買わないようにしましょう。

どの投資信託を買っていいか分からない場合

投資信託で投資を始めたいけど、どれを買っていいか分からないと思う人が多いと思います。そういう場合は何も買わないことです、投資の鉄則に「分からない物に投資をするな」というのがあります。分からない物は投資のタイミングが分かりませんから、タイミングよく投資ができない問題があります。だから欲を出して分からない物に投資をするより、少しの利益でも分かりやすい物に投資をすることです。

どれを買っていいか分からないならば、まず投資の勉強をしっかりやることです。全く何も調べないで投資で稼ごうとしてもうまくいくはずがないです。分からないなら、分かるようになるまで勉強です。誰かに聞いて投資をするとか、誰かの真似をして投資をしてでは、いつまで経っても実力が付きません。まずは自分で調べる習慣を身に着けることです。投資信託は人任せの商品では無く、いつ買う買わないは、自分で判断しなければならない物です。誰も教えてくれませんし、自分で考えなければならないです。

分からなければ分かるものに投資ですから、どれがよく分かるかをまず探してみます。探して見つからないようであれば、株式投資の方を始めるといいでしょう。株の方が、投資信託よりはっきりしていてわかりやすいです。株は倒産のリスクがあると恐れてしまいますが、そんな会社は決算が赤字になってからでして、すぐには潰れません。決算が黒字の会社だけを選んで投資をしていけばいいです。

分かるものが見つかったら、今度はそれを調べます。調べて仕組みを理解してから投資です。この時他にも分かるものが無いかを探してみることです。探して見つかれば、それも調べて投資をします。投資をしながら少しずつ理解をしていきます。投資信託は、初心者向きの投資方法とよく紹介されていますが、どんなものに投資をするかが分かりにくいところがありますから、初心者向きとはいえきちんと調べてから、投資信託での投資を始めることです。投資に失敗しても誰も助けくれませんし、教えてもくれませんから。

カバードコールは逆に安心できる仕組みです

毎月分配型でカバードコールを活用している投資信託があります。カバードコールと聞くと、なんか複雑でリスクが高そうに思えますが、全然リスクが高くないです。コールオプションを売るだけですから。オプションを売ると損失は無限大だから、リスクがすごく高く感じますが、それはオプションの原資産を持っていない場合でして、カバードコールは原資産を持ちながらコールオプションを売りますから、オプションを行使されても原資産をそのまま渡せばいいだけです。だから外国の中央銀行も金を処分するのにカバードコールを活用して、オプションを行使されるごとに金を受け渡しました。

バードコールのメリットとして、オプション料があります。コールオプションを売却してオプション料をもらいます。オプションを行使されなければ。オプション料は丸儲けです。オプションを行使されてもオプション料はそのまま受け取りですから、損をしない仕組みになっています。そんなおいしい仕組みなら、みんなオプションを売りますが、カバードコールには欠点があって、値上がり益を放棄してしまう問題があります。1株=100円の株があって、1株110円で買う権利のオプションを5円で売ったとします。1株=120円まで値上がりして、オプションを行使されると、保有する株を110円で売り渡すことになって、オプション料の5円と合わせて15円の利益になります。本来なら20円の利益なのに15円しか入らないことになります。

バードコールは、仕組み的には損をしませんが値上がり益を放棄する欠点があって、値上がりを求める株式型の投資信託には、不向きな仕組みに思えてきます。しかしオプション料をもらえるメリットは大きいです。株価が下げ続けるとオプションを行使されませんから、オプション料をもらい続けられます。その上毎月分配型だと、オプション料を分配金として分配できますから、仕組み的には都合がいいです。買っても値上がりするか分からない株式型よりも、オプション料を受け取れるかバードコール型の方が、運用成績が堅実です。堅実な運用成績を求めるならカバードコール型の投資信託を買うのがいいでしょう。