ノーロードの投資信託の方がお得に見えますが

投資信託には、販売手数料を取る投資信託と販売手数料を取らないノーロードの投資信託があります。販売手数料を取る投資信託は、販売手数料を取らない投資信託よりも販売手数料分のハンデを背負って運用されることになるから、単純に販売手数料を取らない投資信託の方がお得になります。人によっては販売手数料のある投資信託を買う人は銀行や証券会社の騙されているいいカモに見えてきます。

昔は投資信託委託会社は証券会社の系列の会社ばかりでした。当然証券会社は自社の系列の投資信託委託会社の投資信託だけを販売します。投資信託委託会社の株の売買の注文はすべてグループの証券会社で行われますから、販売手数料無しでも投資信託が売れれば、手数料が入ってきますから、手数料無しで売っても儲かります。今では証券会社は、いろんな投資信託委託会社の投資信託を売るようになっています。販売手数料無しを販売しても信託報酬で儲かる仕組みになっていますが、それでも販売手数料有りの方を売った方が儲かるから、証券会社や銀行は販売手数料有りの投資信託を売ることに力を入れています。

この販売手数料の一部は、投資信託委託会社にも入るようになっています。それで投資信託委託会社も販売手数料有りの投資信託が売れるように力を入れていて、売れるために運用成績を上げる努力をしています。その分ノーロードの投資信託の運用は力を入れていないです。それで販売手数料有りの方が手数料分を引いてもノーロードの投資信託よりも運用成績が良い場合があります。

投資信託委託会社が、力を入れても必ず運用成績が良くなるわけではないです。それでも販売手数料を取る投資信託が、ノーロードの投資信託より好成績なのが多いは事実です。運用する会社の実力もありますから、必ずしもノーロードも投資信託が負けるというものではないです。どちらを選ぶかは、まず過去の運用成績を比較してから、判断すべきです。そしてさほど差が無いならノーロードの投資信託の方を選んで、手数料分有利に運用することです。

バランスファンドの活用

投資信託は、少額で投資ができますから、複数の投資信託を買っての分散投資ができます。それで各種資産に分散投資をすることによってリスクを軽減したりできます。投資信託自体分散投資をしているから、リスク軽減は十分に行われているように思えますが、投資信託でも相場全体の下げには勝てなくて、もろに影響を受けます。だから違う種類の資産に投資をすることで、リスクを回避することができます。ただ違う種類の投資先に投資をする場合ですが、リバランスと言ってバランス調整をしないとリスク回避効果が限定的になってしまいます。そのままの固定ポートフォリオだと、相場の変動を利用しての収益を上げるチャンスを逃してしまいます。だから収益を少しでも上げられるようにリバランスをした方がいいです。

しかしリバランスは、タイミングよくやらなければ効果が無いどころか、逆効果になってしまいます。それでいちいち相場を見ていられないとかで、リバランスを実行できないという問題があります。それでリバランスをしている余裕が無い人には、バランスファンドをお勧めします。バランスファンドとは、一つの投資信託で複数の資産に分散投資ができます。しかもリバランスはファンドマネジャーがしてくれますから、投資家は買ってただ保有しているだけでいいです。しかもファンド内でのリバランスは、利確になっても税金を払わなくていいメリットがあります。だから複数の資産に投資をしたい人はバランスファンドを買うといいです。

しかしバランスファンドにも欠点があって、リバランスが遅いという問題があります。投資信託は、投資家から資金を集めて運用しますから、どうしても資金が巨額になります。複数に分散していても値を動かさないように売買をしますから、一度にリバランスの売買ができません。だからリバランスが遅くなってしまいます。それでスピーディにリバランスをしたいなら、自分でポートフォリオを組んでやるしかないです。ただスピーディにリバランスをしてもうまくいくとは限らないから、普通にバランスファンドで十分だと思います。

安全な投資信託

大事な資金を運用したいけど、安全な投資先が分からなくて、仕方なく定期預金に預けている人は、すぐに使い道が無いならば国債に切り替えた方がいいです。定期預金は、金利があまりにも低過ぎて、運用にならないです。だからすぐに使い道が無いのであれば、国債を買うことをお勧めします。ただ国債金利では物足りないと思うなら、投資信託です。

投資信託は、値下がりのリスクがあって危険だと思えますが、公社債投信という安全に運用される投資信託があります。日本の国債を中心に運用しますから、元本割れのリスクは低く、割れても少額です。そして公社債投信ですが、国債金利を上回る収益を上げます。その秘密は超長期債を組み入れることができるからです。個人が超長期債を買ったら、償還までの長い年月を持ち続けることになります。換金したいと思わなければずっと持ち続けることができますが、そうでなければ長すぎて保有していられません。換金のための売却も難しいから、個人では買えない国債です。しかしそんな超長期債でも公社債投信は保有できるから、普通より高い金利国債保有することで、個人で10年物の普通の国債を購入して保有するよりも高い運用収益をあげられます。

社債投信は名前に入っている通り、社債にも投資をしています。社債と言えばすごく危険に思えますが、投資する社債は、トヨタなどの日本を代表する企業の社債ですから、倒産して社債が償還されないということは無いので安心です。これらの社債国債よりも金利が高いから、保有すれば国債よりも金利収入が多くなります。

よく公社債投信は、信託報酬を払ってまで購入するメリットは無いと言われますが、分散投資ができる投資信託の強みを生かして、信託報酬を払ってでも国債よりも高い金利収入を実現しています。安全に運用したいけど今の債券の低金利に満足できないなら、公社債投信に投資をしてみるといいでしょう。少しは収益を増やすことができます。

意外とリスクの低いハイイールド債の投資信託

ハイイールド債とは、ハイイールドが高金利という意味ですから、高金利の債券を意味しています。高金利の債券は、倒産で償還不能になるリスクが高いから、金利が高いです。それでジャンク(がらくた)債とも呼ばれています。ハイイールド債は外国債券でリスクが高いから、日本の証券会社は、個人向けに販売していません。しかし何故か投資信託では、投資をすることができます。

投資信託でハイイールド債を買うメリットですが、高金利の債券だけあって金利収入が、普通の債券よりも多いです。リスクの方ですが、投資信託分散投資が出来ますから、100銘柄以上に分散してハイイールド債を購入しています。単純に1目に柄が償還不能になっても、金利収入が1%分減るだけで、外国の国債を買うよりも金利収入は高いままです。その上ハイイールド債の投資信託を運用する投資信託委託会社は、外資系でハイイールド債に詳しい人が、ファンドマネジャーをやっています。だから専門的知識で償還不能になる債券を買わないから、運用が問題なくうまくやっています。実際償還不能になった債券を組み入れて損をしたとのニュースが無いですから、ハイイールド債の投資信託は全くリスクが無い状態です。

ハイイールド債の投資信託は、高金利からの高収益で、しかもどの債券も償還不能になっていないので、人気になってよく売れています。ハイイールド債が償還不能になるのはよくあることですが、投資信託は償還不能になったハイイールド債を購入していないので、ハイイールド債の投資信託はもうリスクが無いと思われていると言っても過言ではないでしょう。ハイイールド債の投資信託を買ったら、もう普通の債券に投資をする投資信託は、馬鹿らしくて買えないです。それくらいリスクは変わらないし、収益力に差があります。外国の債券に投資をする投資信託は、為替リスクがあるから、今の低金利では投資をする価値が無いです。それで金利収入の方を得たいならば、ハイイールド債の投資信託の方を買うべきです。リスクは変わりませんし、ハイイールド債の方が高金利ですから、買うのでしたら少しでも金利の高いハイイールド債の投資信託の方です。

為替ヘッジ有りと為替ヘッジ無し

外国株式や外国債券で運用する投資信託の中には、為替ヘッジ有りと為替ヘッジ無しがあります。為替ヘッジとは何を意味しているかというと、外貨建て資産で運用されている投資信託は、常に為替の変動リスクに晒されています。それで例えば、アメリカ株がこれから上がると予測して、アメリカ株に投資をする投資信託を買って、実際にアメリカ株が値上がりしたら利益になります。しかし利益にならない場合があります。それは米ドルが円に対して下落したらです。せっかく予想が当たって儲かるはずなのに為替差損で利益が減ったり、マイナスになる場合があります。それを避ける為に為替リスクを回避する必要があります。

この為替リスクを回避する方法を為替ヘッジと言います。為替ヘッジをすると為替レートが固定されて、米ドルが下落しても為替差損が発生しないです。逆に為替レートが固定されるから、為替差益も発生しないです。為替差益を狙わず、純粋にアメリカ株の値上がりだけを狙うなら、為替ヘッジ有りの投資信託を買うといいです。

為替ヘッジの仕方ですが、二通りあって直接外国通貨を売るか、為替予約を銀行とするかです。外国通貨を売る場合は外国為替市場で直接売ります。この時外国通貨をどこから調達するかといえば、投資信託の資産を担保に銀行から借ります。外国通貨を売った代金は、借りた銀行に返済用として預けます。この円預金と外国通貨を借りた金利の差が、ヘッジコストとして運用収益から引かれます。もう一つの為替予約は、銀行に1年後に1ドル=120円で売ると予約します。この予約で投資信託の為替レートは1ドル=120円で固定されて、基準価額に反映します。当然1年後に1ドル=120円でドルを予約をした銀行に売る必要があり、ドルを調達しなければならないです。どちらにしろ投資信託の資産を処分できない以上、ドルを投資信託の資産を担保に借りる必要があります。

為替ヘッジの負債は、投資信託には全く関係なく、投資信託委託会社が返済の責務を負いますから大丈夫です。ただヘッジコストは投資信託保有者が負担することになります。それでヘッジコスト分の負担がある分為替ヘッジは損なように思われていますが、それ以上に為替の変動が大きいから、為替ヘッジ自体はコストに見合った効果はあります。ただ為替差益を狙える時に為替ヘッジをすると、為替差益を得られないばかりか、ヘッジコストを払う分損になってしまいます。

高分配投信のどこが駄目なのか

毎月分配型で高い分配金を謳っている投資信託があります。分配金を多くもらえることはうれしいことです。分配金を出すことを批判する人は、分配金を出すと税金を取られて、税金分を運用出来なくなるから損だと言います。しかし投資信託はリスクのあるものです。どうせいつか払わなければいけない税金を、払ったら損だと言ってリスクに晒して、基準価額が値下がりして利益が無くなったら、意味が無いです。それよりも儲かった分を分配金として受け取り、公社債投信などの安全な運用先で運用して勝ち逃げをした方がいいです。

ただ収益を分配金として受け取れるのはありがたいけど、やり過ぎは問題です。やり過ぎとは過剰に分配をしている投資信託です。分配金を売却益や金利収入から払うなら良いのですけど、含み益まで分配原資にするのは問題です。どうして駄目かと言えば含み益は、値下がりすると消えてしまいます。消えてしまう恐れのあるものを分配金として分配するのは問題です。含み益は分配できないと誰もが思いますが、含み益分の現金を分配します。投資信託内にある解約に備えての現金資産から分配をします。

海外リートに投資をする投資信託が、リートの値上がり益まで分配して、基準価額が大きく値下がりしたのが、色々あります。中には基準価額が半分以下にまで下がってしまったのがあります。その投資信託を長く持っている人達は、分配金を合わせればプラスなっているから問題ないと思いますが、過剰に分配をし続けると分配金を生み出す資産が少なくなって、分配金を作れなくなって減配になってしまいます。分りやすく例えると、鶏に卵を産ませすぎて、卵が小さくなってしまうことです。卵だけでなく鶏も小さくなっています。投資信託は鶏にも大きくなってもらった方が、ずっとお得です。分配金はもらえるのはうれしいけど、ほどほどでないと、せっかくの儲けが少なくなって、投資効果が無くなります。だから過度に分配する投資信託を避けて、適度な分配をする投資信託に投資をしましょう。

信託報酬の差は気にしない方がいい

世の中には信託報酬が安い方がいいという人達が居ます。同じ投資先なら信託報酬が0.1%でも低い方の投資信託を買うことをお勧めしています。そんなわずかな差ははっきり言って意味が無いです。同じ投資先と言ってもまったく同じものを買うわけではないので、信託報酬のわずかな差より投資信託を運用するファンドマネジャーの実力の方を気にする必要があります。

実際信託報酬の差は、運用成績的には全く影響していません。投資先で数パーセントの差が出る状態で、1パーセントも満たない信託報酬の差は、差と言えるレベルでは無いです。投資先が同一の場合は、差が縮まって1パーセント未満になれば、信託報酬の差が効いてくると思えます。しかしそれ以前に実力が拮抗すること事態が難しいです。同一投資先でも購入する株の種類や株数が違いますから、実力が拮抗すること事態ほとんどないと考えていいです。しかもこの場合、信託報酬が低いほど成績が悪くなります。その原因は、信託報酬が低ければ投資信託委託会社は運用チームのメンバーの質を下げます。そして信託報酬の高い投資信託に優秀な人材を回します。投資信託委託会社も商売でやっていますから、儲かる方に力を入れて、儲からない投資信託には力を入れません。実際手数料有りの投資信託の方が手数料無しの投資信託よりも成績が良いのが多いです。

インデックスファンドの場合は、本当に同一投資先になりますから、数パーセントンもの差が出てきません。信託報酬の差が影響してきそうです。しかしインデックスファンド自体信託報酬が低いから、信託報酬が低い物同志比較しても差があまりにも無さ過ぎて、こちらも信託報酬よりもファンドマネジャーの実力次第ということになります。インデックスファンドは実力が関係なさそうに見えますが、指数に連動させるために、ファンドの構成を工夫していて、指数から乖離しないようになっています。この指数からいかに乖離しないかがファンドマネジャーの腕になります。

信託報酬の差は、投資信託の運用成績の前には微々たる額です。同一の投資先でも過去の成績を比較すれば分かるように信託報酬が低いから有利という差で無いことが分かります。だから信託報酬を気にするくらいなら、過去の成績を徹底的に比べて、どのくらい差が付いているかを、調べて判断する方がより効果的な買い方ができます。