信託報酬は管理費用

株式投資をしている人達が、投資信託を馬鹿にする理由の一つが、信託報酬を取られることです。信託報酬は損をしていても取られます。それで下手くそな運用をされて、報酬を取られていると、投資信託投資信託を購入している人を馬鹿にします。ただこれは誤解でして、投資信託を購入する人は、信託報酬を払うことには意味があって、馬鹿にされるようなことはしていないです。

昔は、株式投資をすると口座管理手数料を取られていました。証券会社が保有株を管理しますから、管理料を取られるのは仕方がないことです。投資信託も信託報酬と言いますがほとんど管理費用です。運用の報酬は数字的にはごくわずかになります。信託報酬は投資信託委託会社、販売会社、信託銀行の3つに払います。販売会社と信託銀行は管理ですから、この二つに払う分は管理費になります。投資信託委託会社は、運用ですが管理も兼ねていますから、運用分で払う信託報酬が意外と少ないことが分かります。海外の私募ファンドだと成功報酬というのがあるけど、日本の投資信託は成功報酬が無いから、運用で払う分は微々たるものです。

信託報酬は、管理費だから管理費を削るということは大事な資産をリスクに晒すことになります。単純に投資信託委託会社のコンピューターが、信託報酬削減でセキュリティが甘くなれば、ハッカーにやられたりする恐れがあります。だから信託報酬の低い投資信託委託会社の投資信託は買わない方がいいです。独立系で赤字が続いている会社なんか、セキュリティが脆弱かもしれません。何らかの事件に巻き込まれないよう、そんなところの投資信託は買わないようにすることです。

管理費用は運用成績を下げるけど、大事な資産を守ってもらっているのだから、管理費用を払うのは仕方がないことです。信託報酬が低い方がいいと言っている人は、リスク意識が無い人です。そういう人の言うことなど聞かずに、自分自身の財産を守ってもらっているという気持ちで、信託報酬を払うことです。

直販投信とは

直販投信とは投資信託委託会社が、販売店を通さずに直接販売する投資信託です。投資信託委託会社が、販売店を直接通さないメリットは、投資信託のコストを引き下げて、その分運用成績を上げることができます。運用成績が良い投資信託ほどよく売れますから、投資信託委託会社にとっては少しでも運用成績が良い方がいいということです。販売会社に払うコストは、販売手数料として払うものの他に信託報酬というのがあって、信託報酬は投資信託委託会社が受け取る分と販売会社が受け取る分と信託銀行が受け取る分があります。直販の場合、この販売会社が受け取る分を減らせます。

直販投信のデメリットとして、販売会社を通しませんから、投資信託の購入解約や代金の受け渡しを直接投資信託委託会社としなければならないです。それでいつも販売会社とやり取りをしている人には、とても不便に感じます。投資信託委託会社は、顧客の資金を長く預かることができなくて、資金を待機させることはできません。解約代金も銀行口座に振り込まれます。それで販売会社でも販売されている直販投信なら、投資信託委託会社で買うよりも販売会社で買うことをお勧めします。

主な直販投信は独立系で、最初は販売会社に相手にして貰えないから、直販というシステムを取らざるを得なかったです。相手にして貰えない理由は、販売会社にしてみれば、運用力や会社の存続力から言って、直販会社の投資信託の販売はリスクが高かったからです。販売したのはいいけど、運用成績が悪いは倒産とかになったら、顧客に迷惑をかけることになりますから、販売はリスクが高くてできないです。しかし今では直販会社の投資信託を普通に扱っています。信託報酬から、販売会社分を受け取れるからです。直販会社も直販だけでは資金が集まらなくて、販売会社に販売してもらった方が少しでも資金が集まるから、販売会社での販売もするようになりました。

直販投信は独立系で古くからある投資信託委託会社と比べると、運用の実力は劣りますから、はっきり言ってそこで投資信託を購入するメリットは無いです。普通に販売会社で売られている実績にある投資信託会社の投資信託を買った方が、実績がある分安心して保有していられます。

 

通貨選択型がリスク高いと言われる理由

投資信託の中には通貨選択型というのがあります。通貨選択型とは投資をする投資先とは別の通貨を選ぶことができる投資信託です。仕組みは、アメリカの株式に投資をする投資信託があったとします。この投資信託は米ドルの変動に影響します。それで米ドル以外の外国通貨に連動するようにすれば、米ドルが下がっても基準価額が下がらないことになります。この米ドル以外の外国通貨を選択できるのが通貨選択型です。投資資産が、米ドルに連動しているのに他の国の通貨に連動させることにはできないように見えますが、実はできます。その仕組みも簡単です。

米ドル建ての資産ですが、資産と同じ分だけ米ドルを売ると為替ヘッジになって、米ドルの変動があっても、米ドルの為替レートは固定になりますから、米ドルの変動の影響は受けません。この時米ドルを売って、どの通貨を買うのを決めるのが、通貨選択型です。例えば米ドルを売ってブラジルレアルを買ったりします。米ドルを売るときは、投資信託の資産を担保に米ドルを借りて売ります。そして米ドルを売って他の外国通貨を買います。

この時米ドルを借りますから金利を払わなければならないです。しかし代わりに高金利通貨を買って、その通貨で高金利通貨の債券で運用して金利収入を得ますから、金利差で払うどころか、逆に儲かるようになっています。儲かるなら通貨選択型はお得に思えますが、実は落とし穴があって、高金利通貨は値下がりしやすいです。値下がりリスクがあるから、通貨選択型はリスクが高いと言われています。通貨自体は株よりもリスクが低く、金利収入もあります。しかし本来の投資先の値下がりとのダブルパンチがありますから、両方ともうまくいけば儲かるけど、ダブルパンチがあるので、リスクが高いと批判されがちです。

通貨選択型自体は、為替リスクを回避できたり、為替の値上がり益も期待出来る良い商品だけど、予想を外した場合のダメージが大きいから、リスクを取れない人は利用しない方がいいでしょう。

投資信託での資産配分

投資信託の良いところは、少額で投資できるところと投資できる投資先が、多いことです。昔は株式か債券だけでしたけど、今では不動産や金にまで投資ができます。それで広範囲に分散投資ができます。広範囲に分散投資ができるメリットとして、特定の資産に集中しないからリスクが軽減出来ます。さらにリバランスといって分散した資産を再度バランスの調整をして、資産の偏りを調整してのリスク回避ができます。

リバランスをする時に利確になって税金を払うことになるから、税金を払わなくていい、投資信託の解約をしないノーセルリバランスを推奨する専門家が居ました。追加出来る資金の量が資産に比べてあまりにも低かったらリバランスになりません。5000万円の資産の人が5万円追加してリバランスって、全然リバランスになっていません。リバランスをする場合は、利確で税金を払うことになりますが、税金を払ってでもリスク回避効果がありますから、投資信託を解約してリバランスをすべきです。

資産配分の仕方ですが、どの配分比率も最善が無いので、各自の判断になっています。最善が無いのはその時の相場によって最善が変わってきますから、最善を決められないからです。それでよく使われる資産配分として均等配分があります。均等配分は、一番考え方が簡単だから利用しやすいという面があります。均等配分は必ずしも最善になるわけではないので、過度に期待しないで利用をしていけばいいです。

資産配分として株、債券、リート(不動産投資信託)、金ETF(上場型投資信託)の場合や株、債券、リートの場合があり、株、債券、リートの組み合わせが良く利用されています。配分も最善は誰も分かりませんから、各自の判断で決めるしかないです。
資産配分が分からないと思う人は、バランスファンドを買って、すべて一任するのも手です。バランスファンドならファンドマネジャーの判断で資産配分がされて、リバランスもしてくれます。しかもファンド内で利確の場合は、税金を取られませんから、税金のことを気にする必要が無いです。それで資産配分が分からないならバランスファンドを買ってほったらかしにして運用することです。

投資信託で貸株金利が貰えます

ネット証券では、証券会社に株を貸すと貸株金利というのが貰えます。証券会社が顧客から株を借りて何のメリットがあるかというと、株を別の顧客に貸します。信用取引空売りというのは、株を保有していないのに株を売るから空売りと言います。どうやって株を売るかというと、株をどこからか借りてきて売ります。ネット証券は、空売りをする顧客に株を貸して貸株料を取ります。ネット証券は株を貸して儲けるために貸株金利を払って、顧客から株を借ります。

投資信託でも貸してお金が貰えるといいのですが、投資信託には空売りがありません。だから株みたいに貸株金利は貰えないということです。しかし投資信託の中でもETF(上場型投資信託)は信用取引に利用されていて空売りもされています。だからETFなら貸株金利が貰えるということです。それで貸株金利が欲しい人は投資信託では無くETFで買うことです。投資信託をすぐに解約する気が無いなら、ETFで買って貸株金利を貰った方がお得です。

ただすべてのETFで貸株金利がもらえるわけでは無く、信用取引の対象になっているETFだけです。その上ネット証券によっても貰えるところと貰えないところがあります。さらに貸株の最大の問題点として、証券会社に貸すと、証券会社が潰れたら、貸したETFは戻ってこない恐れがあります。普通は分別管理として、保有資産は証券会社では無く信託銀行に信託されていることになりますが、貸株をすると信託銀行の管理から外されて、保護されなくなります。

さすがにネット証券は潰れる気配が無いから、そんな心配はする必要は無いです。ただ貸株金利は、ほんのわずかですから、貸株金利目当てでETFなんかに投資をしないで、普通に値上がりするアクティブファンドを買った方がずっとお得です。ETFを組成したのはいいけど、あまりの人気の無さに償還になったETFが何本かあります。投資信託は値上がりするから人気が出ます。ETFがいまだに人気が出ないのは値上がりしないからでして、そんな値上がりしない物など買わない方がいいです。

投資信託のレーティングは無視していい

とあるネット証券が、独自の投資信託のレーティングを始めました。それで良く売れている投資信託が、星5つの評価で星2つしか付きませんでした。しかしその投資信託の売れ行きは、変わらなくて売れゆきのランキングは2位のままです。星2つなのに売れ具合が変わらないということは、ネット証券のレーティングは無視されているということです。5つ星の投資信託があるのに星2つしかない駄目な投資信託を買うのは、普通に考えればおかしい話ですが、単純にレーティングより自分自身の判断が正しいと思っているから、星2つの投資信託を買っています。

ネット証券のレーティングが、信用出来る物でしたら星5つの投資信託が売れまくるはずですが、売り上げランキング上位にならないのは、みんなが信用していないからです。みんなが信用していないということは、それだけレーティングがデタラメで使えないということです。これだけ支持されていないということは信じて買って失敗した被害者もそれなりに居るということです。被害者にならないようレーティングなんか信用しないことです。

レーティングが信用されないのは、デタラメだからでして、なぜレーティングがデタラメになるかですが、投資信託の評価を決める時は過去の結果を十分吟味して決めます。レーティングも適当に決めているわけでもなく、色々な理由で判断しています。しかし何故駄目なのかは、単純に同じ相場は無いからです。過去と同じパターンを繰り返すなら、レーティングは効果的ですが、過去と同じパターンを繰り返しませんから、その相場に合った投資信託が最高の成績を上げます。だから別の相場で好成績を収めた投資信託は今回の相場でも好成績は無理です。ゆえにレーティング上位の投資信託は結果が出せなくて、レーティングはデタラメ扱いになります。

ネット証券は今回のレーティングに力を入れていますが、顧客から無視されて、全く意味をなしていません。使えないレーティングより売り上げランキング2位の投資信託がなぜ売れるかを考えて、2位よりももっと質の高い投資信託を開発して、販売をするようにすべきです。

投資信託の専門家の言うことを信じてはいけない

競馬の予想とかは、どの馬券を買えば当たるかを予想して、人に勧める予想屋が必ず居ます。雑誌とか競馬の予想会社の広告とかが載っている場合があります。しかしそういうのを信じて成功した人は居ないように、予想なんて簡単に当たるわけも無く、誰もが「じゃあお前が買えば!」と言って相手にしません。投資の世界も株式の予想をする人が多く居て、当たったり外れたりを繰り返しています。いつも一生懸命調べていても、いつも的中するわけでもないことをただ証明しています。

株の方は短期だから、すぐ予想が外れたのが分かりますが、長期の場合だったら、すぐには結果が出ません。だから詐欺師にはすごく都合のいい世界です。結果が出るまで10年かかるなら10年騙し通せます。しかも10年前のことなど誰も覚えていないし、覚えていても投資は自己責任と撥ね付けてお終いです。投資は自己責任という免罪符があるから、詐欺師は好き放題できます。投資信託は長期投資向けの商品だから、予想が外れても長期投資だと言いくるめられますから、実に騙しやすいです。

投資信託は、知識があってもっともらしいことを言えれば、誰でも専門家に成れます。予想は長期投資ですから、結果が出るまで素人ぶりがばれません。だから株の何倍もの投資信託の専門家が居ます。中には真面目に努力して調べている人も居ますが、そこは才能の問題でして、当てられない人は当てられないです。マネー情報誌によく投資信託の特集があって、自称専門家達が色々お勧めしていますが、競馬の予想レベルで、お前が買えばと言いたくなります。こういう専門家の人達は本気で投資をする気が無いから、すでに買われて上がってしまったものばかりをお勧めしています。

本当に儲けたいのでしたら、こういう自称専門家の推奨しているのを避けて、これから注目を浴びそうな物を探して買うことです。一度にたくさん買わないで少しずつ買いながら、大きく値上がりするのを待つだけです。予想はすぐに当たらないけど、長く持っていればいつかは当たります。中身の良い物を安い時に買うのが投資信託の投資方法ですから、誰かの言うことに振り回されずに良い物を差はして買うようにしましょう。