通貨選択型がリスク高いと言われる理由

投資信託の中には通貨選択型というのがあります。通貨選択型とは投資をする投資先とは別の通貨を選ぶことができる投資信託です。仕組みは、アメリカの株式に投資をする投資信託があったとします。この投資信託は米ドルの変動に影響します。それで米ドル以外の外国通貨に連動するようにすれば、米ドルが下がっても基準価額が下がらないことになります。この米ドル以外の外国通貨を選択できるのが通貨選択型です。投資資産が、米ドルに連動しているのに他の国の通貨に連動させることにはできないように見えますが、実はできます。その仕組みも簡単です。

米ドル建ての資産ですが、資産と同じ分だけ米ドルを売ると為替ヘッジになって、米ドルの変動があっても、米ドルの為替レートは固定になりますから、米ドルの変動の影響は受けません。この時米ドルを売って、どの通貨を買うのを決めるのが、通貨選択型です。例えば米ドルを売ってブラジルレアルを買ったりします。米ドルを売るときは、投資信託の資産を担保に米ドルを借りて売ります。そして米ドルを売って他の外国通貨を買います。

この時米ドルを借りますから金利を払わなければならないです。しかし代わりに高金利通貨を買って、その通貨で高金利通貨の債券で運用して金利収入を得ますから、金利差で払うどころか、逆に儲かるようになっています。儲かるなら通貨選択型はお得に思えますが、実は落とし穴があって、高金利通貨は値下がりしやすいです。値下がりリスクがあるから、通貨選択型はリスクが高いと言われています。通貨自体は株よりもリスクが低く、金利収入もあります。しかし本来の投資先の値下がりとのダブルパンチがありますから、両方ともうまくいけば儲かるけど、ダブルパンチがあるので、リスクが高いと批判されがちです。

通貨選択型自体は、為替リスクを回避できたり、為替の値上がり益も期待出来る良い商品だけど、予想を外した場合のダメージが大きいから、リスクを取れない人は利用しない方がいいでしょう。