為替ヘッジ有りと為替ヘッジ無し

外国株式や外国債券で運用する投資信託の中には、為替ヘッジ有りと為替ヘッジ無しがあります。為替ヘッジとは何を意味しているかというと、外貨建て資産で運用されている投資信託は、常に為替の変動リスクに晒されています。それで例えば、アメリカ株がこれから上がると予測して、アメリカ株に投資をする投資信託を買って、実際にアメリカ株が値上がりしたら利益になります。しかし利益にならない場合があります。それは米ドルが円に対して下落したらです。せっかく予想が当たって儲かるはずなのに為替差損で利益が減ったり、マイナスになる場合があります。それを避ける為に為替リスクを回避する必要があります。

この為替リスクを回避する方法を為替ヘッジと言います。為替ヘッジをすると為替レートが固定されて、米ドルが下落しても為替差損が発生しないです。逆に為替レートが固定されるから、為替差益も発生しないです。為替差益を狙わず、純粋にアメリカ株の値上がりだけを狙うなら、為替ヘッジ有りの投資信託を買うといいです。

為替ヘッジの仕方ですが、二通りあって直接外国通貨を売るか、為替予約を銀行とするかです。外国通貨を売る場合は外国為替市場で直接売ります。この時外国通貨をどこから調達するかといえば、投資信託の資産を担保に銀行から借ります。外国通貨を売った代金は、借りた銀行に返済用として預けます。この円預金と外国通貨を借りた金利の差が、ヘッジコストとして運用収益から引かれます。もう一つの為替予約は、銀行に1年後に1ドル=120円で売ると予約します。この予約で投資信託の為替レートは1ドル=120円で固定されて、基準価額に反映します。当然1年後に1ドル=120円でドルを予約をした銀行に売る必要があり、ドルを調達しなければならないです。どちらにしろ投資信託の資産を処分できない以上、ドルを投資信託の資産を担保に借りる必要があります。

為替ヘッジの負債は、投資信託には全く関係なく、投資信託委託会社が返済の責務を負いますから大丈夫です。ただヘッジコストは投資信託保有者が負担することになります。それでヘッジコスト分の負担がある分為替ヘッジは損なように思われていますが、それ以上に為替の変動が大きいから、為替ヘッジ自体はコストに見合った効果はあります。ただ為替差益を狙える時に為替ヘッジをすると、為替差益を得られないばかりか、ヘッジコストを払う分損になってしまいます。